(文責:下田、森田)
〇無政府世界=混沌ではない。無政府であっても秩序は有りうる。
国内と国際における大きな違い。
→正当な暴力が独占されているかいないか。
・・・国内ならば政府が暴力を独占している。Ex警察
〇国家中心主義・・・というよりは「集団」中心主義。
1648年のウェストファリア条約以前についてもリアリズムは有用。
○安全保障のジレンマ
…防衛的な意図(他国を威嚇する意図でなく)の軍拡が相手国には脅威に見え、相手国もその脅威からの防衛として軍拡をすることで、
どちらの国にも攻撃の意図はないのに結果的に軍事的に緊張した危険な状況に陥ること。
←国家の意図の不確実性から起こる(相手の腹の底がわからない、将来性が保障されない、政治体制の違いから信用性がない)
例)中国の発言に透明性が見られない(信用できない)ため、アメリカは中国の発言は不確実と認識する
←攻撃兵器と防衛兵器の性能のバランスにより軍拡競争が起きる可能性は変化する
(攻撃兵器が勝っている場合は先手必勝の考えから軍拡競争になりやすく
防衛兵器が勝っている場合は競争が起きにくい)
Q. 何故世界中に同質の主権国家が浸透しているのか。主権国家システムがこれほど世界中に浸透したのは何故?
…主権国家においては、個人はそれぞれの自助を国家権力に委ねているため、個人個人が自分の活動に特化できるから
○バランスオブパワー
・国家は自国の生存を至上目的としている。自国よりもパワーが勝る国が現れたとき、その国から自国の財産が奪われる恐れ(潜在的敵国への恐れ)があるため、自国はその相手国とのパワー(軍事力など)のバランシングを図ろうとする。
内的近郊・・・Internal Balancing(自国の軍備増強)
外的均衡・・・External Balancing(同盟)
・バランスオブパワー理論の例外?
→イデオロギーや政治体制の決定的な違いなどから、かならず均等なパワーのバランシングが起こるとは言い切れない。
○クラシカル・リアリズム…人間の本質的な権力欲(性悪説)に注目。
○ネオリアリズム…国家間の力関係の構造に注目。ウォルツが有名。
○モーゲンソー…戦乱のヨーロッパを過ごし、その人生観から悲観的に
人間の本質…他者支配→権力/政治
富→経済活動
精神的平穏→宗教
☆共通の価値規範を持つ人間の集団の中では権力闘争は緩和される
☆異なる価値規範集団の間では権力闘争は激化する
・大きな価値規範集団は他者を取り込み規模の拡大(勢力拡大)を図ることがある
○権力とは…暴力を行使する可能性による強制力
権力関係=財の一方的・強制的移転(無政府状態下)
契約関係=財の交換(主権国家内で保障される)
○攻撃的リアリズムと防御的リアリズムの違い
・攻撃的リアリズム…パワーの極大化(世界一)を達成することでセキュリティを確保する
・防御的リアリズム…最低限相手に勝る程度のパワーに留めておいて、同盟を組むことでセキュリティを確保する。自国のみで圧倒的なパワーを実現しようとすると、他の諸国に同盟を組まれ組織的に叩かれるおそれもあるため、パワーの極大化は目指さない。