森ゼミ 議事録 5/21
渡野辺和真
・リサーチプログラム
リサーチプログラムとは国際政治上の事象をとらえるうえで理論的で体系的な視点を提供する考え方・切り口のこと。
例…リアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズム
・TIPとTFP
TIP(国際政治理論)…2以上の国家の相互作用を説明しようとする理論。
例…ネオリアリズムなど
TFP(対外政策理論)…一つの国家の対外行動・対外政策を説明しようとする理論
例…ネオクラシカル・リアリズム
・外的要因と内的要因
外的要因を重視するリサーチプログラム(outside-in approach)…似たような外的環境に置かれれば、国家の性質にかかわらず、国家は同じような行動をとる。
例…ネオリアリズムの前提となる国家に関する仮定
国家は国家間協調における相対利得(他の国家と比べてどの程度の利得を得たか-Relative gain)を重視する。
内的要因を重視するリサーチプログラム(inside-out approach)…政府(国家)は代表機関であり、国内の諸アクターの選好や利益が折衷された結果を反映するような、対外政策を作成する。
例…古典的なリベラリズム、多元主義
国家(政府)は多元的な政体で、国内要因を重視する。
・ネオリベラル制度論
国家は、国家間協調における絶対利得(協調から得られる利益の有無-absolute gain)を重視する。
ネオリベラル制度論は、従来のリベラリズムと異なり、国家を単一の合理的主体という前提に置き換えて、国家間の協調を説明しようとする。
・相互依存論
コヘイン・ナイは複合的相互依存という見解を提示した。
参考文献Power and Independence (Keohane, Nye)
After Hegemony (Keohane)
・国際制度について
覇権国であるアメリカが衰退しても、国際制度は崩れず、国際制度のルールは守られている。
Why?
ルール(国際秩序)は一度作られると、独自のダイナミズムを持つようになるのではないか。(国際秩序を守ることで利益が生まれる)
・合理主義
合理主義とは…結果や損得を重視する論理。「結果的に損か得か」
構成主義…適切性を重視する論理「適切か不適切か」
・課題「リベラリズムの観点から予測する今後の東アジア情勢」
各班の意見
D班
C班
相互依存論…中国が経済成長している。各国は相互依存関係にあるため、協力する。
ネオリベラル制度論…各国は中国をレジームに取り込み、絶対利得を得ようとする。中国としてもレジームに入れば絶対利得を得ることができるので、レジームに参加する。
デモクラティックピース論…民主主義である国家は協調が取れるが、中国・北朝鮮は協調が取れない。
B班
相互依存…中国とアメリカの依存は対称的である。日韓は現在の相互依存に従う。
ネオリベラル制度論…中国の成長はレジームによるので、これからもレジームに従う。
デモクラティックピース論…日本・韓国・台湾で協調し中国・北朝鮮とにらみ合う。
A班
相互依存…中国が戦争で得られる利得<貿易で得られる利得
中国の資本は海外にもあるので、海外も支援する(資本の相互依存)
ネオリベラル制度論…中国は制度内で利得を得ようとする。
・コンストラクティビズムについて
コンストラクティビズムの言う2つの事実
物理的事実…ダイヤは硬い
社会的事実…ダイヤは高価だ
間主観とは…ある物事や事象に対する共共有された認識。
アイデンティティはどこから来るのか
・集団的に共有されている規範による。規範が内面化されると、その規範が当然の前提となってゆく。
・歴史的な経験から生み出される
コンストラクティビズム
※規範が主体を構成し、それらを共有する主体が集合することでコミュニティが形成される。
再来週(6/5)までの課題
リアリズム・リベラリズムでは説明できないが、コンストラクティビズムでは説明できる国際政治上の事例を挙げる。ただし、冷戦の終結と日本の各非武装の事例は除く。