文責:下田
先日のRobert Kagan氏とChristopher Layne氏の論文のプレゼンから、各班がそれぞれまとめて独自の意見を出し、発表しました。
A班
経済的な衰退は避けられない
→多極化へ
But…
軍事的にコミットメント維持←軍事費削減NO!!
コミットメントの低下⇒アメリカの衰退
↓ ↑
他極へのバンドワゴンの恐れ
民主主義等の規模の衰退
B班
① アメリカの覇権は奪われるのか?
☆覇権の定義(B班案)
Ⅰ.軍事力(ハード・パワー)
Ⅱ.ソフト・パワー
Ⅲ経済力
→ⅠⅡⅢすべてアメリカがNo.1の状態
→現在Ⅲが相対的・絶対的に衰退している
主張)中国に覇権を奪われる可能性あり
② 覇権を奪われたら、Pax Americanaは存続するか?
→既存の民主主義・資本主義体制をわざわざ崩すメリットはあるか→ない!
主張)中国が覇権を握っても、中国はPax Americanaに似たもの(資本主義体制だけでも)を構築する
*中国が民主主義になるかは分からない。
C班
アメリカの一極支配は不可能。→多極化
経済:衰退は明らか
←財政赤字、リーマンショック
軍事:国防費を下げる
←経済の衰退
*ただし、大幅に削減はダメ←アメリカの地位の低下
新興国:中国を始めとする台頭国のパワーが増加
↓
アメリカの一極支配崩れ多極化
既存の秩序は修正される
☆アメリカはより国内問題に目を向けなければいけない。
→国内安定がなければ対外への信頼性も得られない
D班
アメリカの相対的パワーの衰退は確認できない
↓
アメリカ主導のシステムは維持される
新興国(中国)が米国に代わって役割を果たすことは不可能
森田枠
覇権維持=秩序維持
秩序→規範の正当性の高さ
→軍事力(←経済力)
覇権維持は、アメリカの相対的パワーの規模にのみ依存
覇権維持の可能性大!
<発表後の補足>
覇権…国際公共財を提供する意思と力を持っていること。
国際公共財…国際社会において各国が個別の対価を支払わずに使用できるもの(海路など)。
○覇権があれば秩序が安定する?←大恐慌時の金融理論から
バランスオブパワー理論…力と力のけん制で秩序が安定する
↓崩壊
覇権安定論
例)ガキ大将がいるクラスといないクラスでは、ガキ大将がいる方がクラスの秩序が保たれる
・ガキ大将がいると、クラスを無理やり一本化させる
・いないと、みんながみんな自分のやりたいことを主張してバラバラ
☆今回のテーマでは、アメリカが衰退するか否かの他に、もう一つ大きな論点がある
→アメリカの繁栄の源は国内にあるか、国外にあるか
レイン…覇権を維持すると国内が疲弊する。国内問題によって疲弊しているのだから、国内問題を優先すべき
ケーガン…覇権によって得るものと覇権によって放棄するものでは、覇権を失うほうが繁栄の源をより放棄することにつながる。
○アメリカ的価値の推進主体はアメリカのみなのか?
…(例)ヨーロッパ諸国が人権について声をあげるときが多々ある
↓
Pax Americanaの主要アクターはアメリカの他にもいるのでは
○Pax Americanaが衰退した場合、世界秩序になにが起こるか
→諸外国がアメリカに依存することが減る
↓
それぞれがアメリカとの関係よりも国内事情をより優先するようになる。
各国が「わがまま」を主張することが多くなる
→アメリカがいままで介入していた紛争、ジェノサイドなどの人権違反の行動が放置される恐れがある。